品種改良:個人育種家の西川公一郎が提供する園芸新品種と南米遺伝資源に関連するサイト

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2008年9月30日

エクアドルで栽培されている2mの高級バラ

rose200cm.JPG エクアドルでは2mのバラの切り花が生産されている。 日本では80cm以上の切り花はほとんど流通していないがロシアのマーケットでは2mを超える高級品が人気を集めている。 最近では中東という話も上がりオイルマネーの影響が切り花に及んでいる事が実感できるようになってきた。 エクドルで2年に1回行われるアグリフローという切り花の展示会では、ロシア人バイヤーが多く驚いた。 質・量共にコロンビアと変わらないという評価があちこちで聞かれた。 原油の暴落による90年代の通貨危機を経験し、国策として切り花生産に取り組むエクアドルの成果が次第に形になってきてきた。

2008年9月22日

電熱線を設置

今日、日本から送ってもらった電熱線を設置して加温できるプラグ用畝を4m作った。
明日午前中に完全に完成し、明日到着するカット苗の挿し木になんとか間に合いそうだ。
また、明日はポンプ小屋の金網を溶接するので、今日溶接機を借りてきた。

日本では施設園芸では鉄骨ハウスの建設時以外溶接を現場で使うことはほとんど無いが、エクアドルは何でもかんでも溶接で処理している。無いものは作ればよい、もちろんそうなのだがみんながそう考えるので必要な物が売っていない。だから私も自分で溶接して作るしかない。

日本で電気、水道、溶接と一通りできるようになっていたのが今頃役に立った。
また、父親の手伝いで覚えたロープワーク、滑車とワイヤーを組み合わせた吊り出し技術が木製の温室の改良や防風林の伐採に役に立つとは思わなかった。
何が役に立つか解らない。ハングリー精神で何度も覚えて行くに越したことはないと改めて感じた。

2008年9月20日

防風林の倒木が温室に当たる。

日本は常に太陽が南を通るが、エクアドルは季節によって南側を通るときと北側を通るときがある。
10月以降太陽が北の空を通るようになるので北側の防風林を5mの高さで切り倒すことにした。
ユーカリ林なので高さは20m程度あり危ないなと思っていたが。まさか温室に当たるとは思わなかった。
幸い、けが人は出なかったが温室は修理が必要となった。

ユーカリは下枝がかってに落ち葉と枝は頂上付近にしか無くなる。優れた木材生産材であることは疑いようがない。私も日本にいたときには杉林の管理をしていたが、下枝を落とす作業は重労働だった。しかも、ユーカリは密植しなくてもまっすぐ伸び間伐の必要もない。直根が伸び風に非常に強い。アレロパシーの問題が指摘されるがエクアドルでは実感することが少ない。

ユーカリは先端にしか枝がないだから通常は木登りできない。このユーカリをロープ1本で20m以上登る職人はさすがプロだ。しかし、風を読み間違えたらしい。下に人がいなくて本当に良かった。

2008年9月17日

エクアドル事情:原油高の影響

<エクアドルの経済状態>
エクアドルは産業の第1が原油、第2が農業、第3が観光ですが、第1と第2が今非常に好調なため、特に貧困層へのばらまき政策でほとんど野党で占められている議会にも関わらず大統領の支持基盤が急速に高まっています。今年になって最低賃金も170ドル/月から200ドル/月に引き上げられました。末端金利が18%と高金利政策がとられているにもかかわらず高いインフレが続いています。ガソリン価格は1リットル50円で据え置かれています。(実感としては年率15%程度の極めて高いインフレです。)

<反米>
アメリカとロシアの対立がコロンビアとエクアドルの対立に大きな影響を与えます。
ベネゼーラ、ボリビア、エクアドルは反米連合として同盟を組みアメリカの後押しで勢力を拡大している隣国コロンビアと強く対立しています。ベネゼーラにはロシアの艦隊が停泊し、ベネゼーラ、ボリビア、エクアドルは資源提供とその見返り支援により中国に急速に近づき反米を前面に押し出しています。
エクアドルはペルー軍の侵略に対抗するために条約に基づき駐留を認めたアメリか軍に対し、今の大統領は今後アメリカ軍の駐留を認めないと公言しています。

<物価上昇>
輸入品の鉄は半年で3倍、肥料は2.5倍、国内供給の木材は1.5倍、ビニールは1.2倍と急速に物価が上昇しました。今後世界経済の減速により価格上昇は干満になると言われていますが産業に大きな変化をもたらしています。

<物価上昇への農園の対応>
・温室の骨材がフルメタルからハーフに変わりました。
鉄の上昇に対して、骨材に鉄の利用を最低限に抑え木材を利用する部分を増やした構造の温室を採用する農場が増えました。元々ユーカリ林を持つ農園は多いのですが、ユーカリ林を利用して二次林スタイルで自前で木材生産を行う農園が増えています。
・有機肥料の利用料が増えました。
化学肥料の急速な上昇に対して、元々土壌改良に利用していた、ぼかし及び堆肥を積極的に農場内で生産し利用する農場が増えました。
(ぼかしは元々日本の技術ですが、コスタリカ経由でその技術がエクアドルに広く普及しています)


<AGRIFLO2008>
9月24日から9月27日にかけて首都のキトで国際園芸博覧会があります。
輸出用切り花が中心ですが国を挙げての取り組みとなっています。
日本からもいくつかのツワーが企画され参加されます。

2008年9月10日

灌水設備の改良

今日から灌水設備の改良がスタートした。
職人パブロは灌水と冷蔵設備(切り花用冷蔵庫)の専門家だ、2週間程度で大まかなところは終了するとのことだ。
エクアドル農場が本格駆動してから6ヶ月。問題点もはっきりしてきた。
改良すべきところが明確に明確になって来たところで少しづつ改良していくことにした。
エクアドルでも日本で使い慣れたネタフィムの灌水設備が手にはいることが解った。今回は全てネタフィムの商品に入れ替えることが主な改良工事となる。
明後日からサントドミンゴの熱帯雨林と海岸の乾燥帯の調査に出かける。
明日は4日間開けるための準備を行う。留守中は農業技師ヘルマンが植物の管理をしてくれるので本当に助かる。


2008年9月 6日

温室の改良

先週から温室の改良を進めている。
まずは、構造を変えるところから進めている。天窓の防虫ネットを撤去し、通風を良くする。そして側面防虫ネットも撤去する。すなわち、網窒から通常の温室に変更する。やってみて解ったが、夜温8度、日温35度〜40度に温度上がるため天窓に防虫ネットを設置するためには一工夫必要と言える。植物を成長させるだけならこのくらい温度があった方がむしろ良いが種子を得るためには少し高すぎる。もちろん品種によっても異なる。私が取り扱っている品種の一部には高すぎる。現地の職人に温室の改良を発注することもできるが温度計を眺めながら試行錯誤しながら進める方が結果的によいように思われるので自分で改良を進めている。来週中には温室の構造改良は一段落付きそうだ。
その後は灌水設備の改良を進める。ネタフィムの資材が手にはいることが解った事から効率的に進みそうだ。
今週は、温室の改良に加え、水洗トイレの設営を開始したがこちらもようやく壁ができた段階で来週以降屋根をつける作業に取りかかる。また、先週から、日陰になる隣接する林の伐採も開始しているがこちらは職人に委託した,20mを超えるユーカリを次々に手際よく伐採していく、さすがプロだ。

2008年9月 5日

エクアドルの切り花農場

再来週日本からエクアドル(カヤンベ)の切り花農場の視察に20人来られる。
私も現地で合流し、基本から来られる方との交流を深める準備をしている。
エクアドルの切り花農場は毎年数百haの規模で拡大している。
この拡大基調の鍵となるのが水の確保と資材費の節約。
温暖化で赤道付近は雨の量が増えるとの事だが確かに増えている。
しかし、用水路の質と量の充実が鍵となる。
ただ、溝を掘って流している現状の用水路では無駄が多い。
1年で鉄、農薬、肥料は3倍に価格が高騰した。
産油国エクアドルで国産化されているプラスチックは据え置きが政府の施策により値段が下がている。
鉄の利用料をできるだけ減らすためにフルメタルからメタルと木のミクストに変更する農場が増えてきた。
また、化成肥料の利用料を減らすために堆肥を積極的に導入している、「ぼかし」は元々日本の技術だが、
九州大学の開発者がコスタリカに移籍したことが契機となり南米に急速に広がった。
堆肥を作るために籾殻、パーム椰子の絞りかす、鶏糞などを多量に調達する。日本のように補助金をつけてもなかなか進まない堆肥の普及と違い、エクアドルは引き手あまただ。
堆肥や堆肥の基の値段が徐々に上がり始めた。
切り花農場に今欲しい品種はと聞いてみた。
「病気に強い品種」、「生産量が変わらず必要肥料量が少ない品種」と帰ってきた。
まさに生産原価を意識している返事だった。
以前日本できたときは、1つの箱にたくさんはいる品種。すなわち、あまり広がらない品種と帰ってきたのと少し違った。

2008年9月 3日

農場は20ha単位

先日サントドミンゴに出かけてきた。
大学の先輩が農業をしているというので会いにいて来た。
以前はパイナップルを生産していたが今はパーム椰子たどいう事で農業を案内してもらった。
2年で平均気温が1.5度下がったとの話だった。地球温暖化の影響は赤道付近では低温を招くと大学の気象学で学んだが現実の物になっていると驚いた。
曇りの日が増え結果として温度が上がらない日が増えるため平均気温が下がる。

サントドミンゴの当たりは輸出用農産物の生産で知られているが、農場の1単位は20Haで細分化が禁止されている。そのため、20ha単位での売買しか認められない。みな規模が大きい。100ha、500ha中には2000haという農園が何百人もの労働者を雇用している。
自民党の農業保護生産区で小規模な兼業農家がひしめく日本とは競争力が違う。

原油高、食料品高影響

psruma.jpg エクアドルの主要作物の1つパーム椰子の価格が1年で3倍になった。 パーム椰子は主にエタノール用(原油代替品)、食料用の2つの用途に利用されているがこの2つの世界マーケットはここ数年で急速に伸び、価格高騰が続いている。 日本では2年前から消費税10%が新たに課税されたのと同じ経済効果をもたらしていると言われているほど原油高、食料品高の影響が出ている。 ロシアの経済が急速に改善し、多額の利益をもたらし国を豊かにしたことを拝見に強硬な外交を始めたが、産油国が急速に国際的存在感を高めているのは確かだ。

エクアドルは、原油を初め天然資源と農産物が国の柱のため、どちらも今は非常に調子がよい。結果、インフレが高まり、労働者保護が急速に進んでいる。富豪層が急速に増え、新車を町の中で頻繁に目にするようになった。

エクアドルでの企業

やっと、現地法人が設立できた。しかしながら少し心配なことがある、9月で大幅に法律が変わり外資を排除する傾向が強くなりそうだ。
ベネゼーラ同様エクアドルは左に急速に傾き、反米主義が強まっている。ここ2年の間に急速に変わった。
労働者保護、法人及び高所得者層への重点課税が進み、すでにエネルギー関連から外資が追い出され始めた。
タイミングが悪いと思いながらも、対策を講じるしかない。このまま左に傾いていくと長期的には外資は追い出され、投資は逃げてしまう。高い労働コストで農産物も国際競争力を失ってしまう。しかしながら今は原油高、食料品高で政府は非常に強気になっている。しばらくは、政府方針は変わりそうにない。

原油同様、半年で農産物の買い取り価格が2倍になった。
1年前と比べると3倍という品目も珍しくない。この傾向はもちろんエクアドルだけではない。
マクロ経済を理解できない私にはこの事が意味する本当の意味が分からないが社会構造を世界中で変えつつあるのは事実のようだ。

幸い私が認められたビザは専門家ビザでエクアドルが専門家として私を国内にとどまることを後押していているというビザなのが救いである。また、会社の定款、定業許可申請にもエクアドルでは皆無の品種改良を柱とし、農業国エクアドルで今後ますます重要となるソフト産業に新たな道を開くという物なので影響は最低限ですみそうだ。今後現地の大学との連携など研究と社会貢献を深める予定なので理解を得られると信じて進めるしかない。